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ワイン投資家がヒミツにしておきたい5つの産地


ワインには、他のどんな天然製品よりも人を魅了する力があるのではないだろうか。


がぶがぶと飲めるコモディティーにもなれば、手に入れたら大切に貯蔵して
おく宝物にもなる。


世界中の食卓に常連として並ぶこともあれば、絵画や手作りピアノ、あるいはそこで
奏でられるコンチェルトのようなアートな一面も持つ。


こうした2つの顔を持つことこそ、ワインの価値でもあるのだ。


このように、手に入れることが、愉しみにも投資にもなるものは稀である。


今、高級ワインへの関心が未だかつてなく高まっている。


中国を中心として多くの人々の収入が伸び、上流と呼ばれる層が厚くなっているのだ。


一方で、ナパやボルドーといった古くからの著名な産地で採れるブドウの量や
ワインの生産量は限定されている。


高級ワイン市場に手を出す人が増加する中で、こうした地域のワインは価格が
高騰、例えばシャトー・ラフィット・ロスチャイルドのワインは本当に手に
入りにくいものになってしまった。



こうした事情を背景に、10年に一度くらいの周期で新しい産地が登場する。


正統派高級ワインの生産地としての地位を築き、そこのワインは評判も価格も
右肩上がりにななっていくのだ。


オレゴン州のウィラメット・バレー・ピノノワールがいい例で、15年前までは
無名だったものが着実に高い地位へと上り詰めてきている。


トレンドを先読みできたワイン購入者は、2つのことを楽しむことができる。


一つはおいしいワインを手頃な値段で楽しむこと。もう一つは自分の購入した
資産の価値が上がっていくのを見守る満足感である。


後者は、ワインセラーが空になるほど飲んでしまわないように我慢
できれば、である。


そんなことを考えながら、ワイン界でまだまだ成長中の注目株の産地を
探してみよう。


味と投資価値の両側面からワイン市場を俯瞰することにする。


Finger Lakes, New York State
米国ニューヨーク州 フィンガーレイクス
フィンガーレイクスで何度か休暇を過ごしたことのある人なら、ここがいかに
素晴らしいワイン生産地か知っていることだろう。


しかし、休暇にでも訪れない限り、フィンガーレイクスなど、名前すら
聞いたこともない人も多いかもしれない。


アップステートニューヨークと呼ばれる州北部ではなく、州の西側に位置する
この地域は、標高で言うと亜北極圏のニューヨーク北部やバーモント州より
も少し低く、ミルウォーキーやデトロイトに近い。


この地域の特徴は雨が多く降り、あまり気温が上がらないことである。


他の産地が今後も温暖化の影響を更に受けることになると思われる中、これは
重要な要素だとモーガンが指摘する。


ブドウ栽培もワイン製造も長く成功を続けるには水が重要だが、水資源が
豊富なのもこの地域の特徴だ。


フィンガーレイクスの赤ワインにもニューヨークシティやシカゴの
高級ワインリストに名を連ねるようになったものもあるが、何といっても
主力はリースリングである。


リースリングと言っても、ドイツやカリフォルニアのリースリングとは
一線を画すもので、フィンガーレイクスリースリングはフィンガーレイクス
ならではのリースリングで、とても味がよい。


独自性はワインの世界では高く評価される。


カリフォルニア州北部ロシアンリバーバレーピノが有名になったのも独自性
があってのこと。
フィンガーレイクスのリースリングもいつか世界的に知られた銘柄に
なるかもしれない。


The Canary Islands, Spain
スペイン カナリア諸島
「カナリア諸島のワインはエキサイティングです。理由はかなり単純に、古木の
魅力です。


それもとても古いのです」とモーガンが解説する。


カナリア諸島はモロッコの南西沖の大西洋に位置するスペインの自治州の
島々だ。


モーガンが指摘したように、ワインは何世紀も前から土着品種のブドウで
つくられてきたが、少し前までは、ほとんど島の外に出ることはなかった。


その他の農作物と同じように、カナリア諸島のワインは地元での消費だけを
考えてつくられてきたのだ。


カナリア諸島のブドウほどの古木となると、既に生態系に一部になっている。


カナリア諸島の土壌こそ真のテロワール(ワイン用の土壌)と呼べるものだ。


植えてから10年や15年しか経っていないブドウの木は、まだテロワールを
作っている途中で、生態系に自分の特製や風味を刻み込んでいる過程にある。


新しい植物がそれまでの植生に溶け込み、掘り起こされた土が落ち着くのには
何十年という時間がかかるのだ。


輸出量はまだ少ないが、この10年、他のスペインワインと同様に少しずつ増加中
である。


25から30の生産者があり、そのうち2か所だけがアメリカへ大規模な輸出を
行っている。


カナリア諸島のワインを見かけたら、即購入して試してみることをお勧めする。


そして、おいしいと思えば、もっと買い増すのだ。カナリア諸島のブドウほど
の古木は限定的で、これだけの品質のワインを生産している産地はなかなか
見つからない。


Niagara, Canada
カナダ ナイアガラ
神秘的な大自然の方が大々的に知られているナイアガラ地区だが、何種類か
の素晴らしいワインを産出しているとして、感度の高いソムリエの間で
静かに評価が上がっている。


穏やかな夏の気候とたっぷりと注ぐ雨のおかげで、この地域のブドウは酸度を失うことなく長いこと樹から垂れたまま、じっくりと時間をかけて熟すことができる。


同じ理由で、糖分が高くなりすぎることなく、アルコール度数も13度未満と
抑えめだ。


糖分が突出することなくワインがしっかりと熟成されると、完成したワインには
クラシックな張り感が吹き込まれ、舌の上でワインの押し引きが感じられる。


この地域でつくられているのは、とびきりのシャルドネ、カベルネフラン
そしてピノノワールで、どれも人気が高い品種な上に一般の愛飲家にも
手の届く価格帯のワインである。一気に火が付くかもしれない。


Swabia, Germany
ドイツ シュヴァーベン
ドイツ南部のシュヴァーベンは、ワインの世界では長く大量生産ワインの産地
として知られてきた。


しかし、若手ワイン醸造家たちが、自分たちの使命として何十年も続いてきた
大衆ワインだけでなく高品質なワインづくりをしようと決意、今それが
実現している。


シュヴァーベンはブドウ畑も、ワイン・カルチャーも古い歴史があるからこそ
おもしろい方法で比較的迅速に変貌を遂げることができた。


とにかく量産する体制から、若手たちが手をかけたワインづくりを始め
その成果がワインの品質に反映されたのだ。


シュヴァーベンのワインでおもしろいのはドライリースリングだ。


普通のリースリングはぶどうの糖分が落ち着くのを待たずに使用するため
甘めに仕上がる。しかし、シュヴァーベンの気候と、新世代のワインメーカー
たちの努力で、近年人気上昇中のドライなリースリングを作ることができる
ようになったのだ。


シュヴァーベンのワインも、見かけたらとにかく買いである。


Macon, France
フランス マコン
マコンはフランス東部の中心的な街であり、パリやその他のフランスの都市
よりもジュネーブからのアクセスの方がよい地域である。


山々が荒々しく切り立つアルプスのすぐ東側の比較的なだらかな場所だ。


この地域も元々秘めていた力を開花させつつある。


この地域に一番適しているのはピノノワールとガメイ種のブドウで
500年前まで遡ってもこの2種が常に栽培されていたことがわかる。


少しのPR活動と製造過程に工夫をしたことで、ワイン愛好家の中でマコン
の見方が変わってきた。


良質なワインの産地とされていなかったマコンでは、多くのブドウ農家は
なるべく大量のブドウを育てては量り売りで売り切っておしまい、次の年を
迎えるということの繰り返しだった。


しかし、この地域の中でも一部の優れたテロワール(土壌)に注目が集まり
始めている。


マコンの中の更に細かな地域ごとにも一部の専門家から高い評価を得ている
ところもある。


もうフランスに魅力的な隠されたワイナリーを見付けるのは難しいのが現実だが
マコンではまだまだかなりリーズナブルな値段でこれから10年間価値が上がり
続けるような素晴らしいワインが見つかると思う。