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【速報】日本女性の生産性の低さの原因、ついに判明する


それもこれも、環境により作られるもの


大学を卒業した20年前、希望する出版業界で記者の仕事についたものの
私はあまりやる気のある社員ではありませんでした。
自分は能力が低いから、すぐクビになると思っていました。
買ってもいないのに、宝くじが当たったら、夏休み明けに出社しなくて
いいのに、と夢想するようなダメ社員でした。


それなのに20年近くも、子どもを2人持った後も転職や独立を経験しながら
働き続けているのは、出産前に仕事の面白さを十二分に味わったからです。
最初のうち、私の能力に照らして仕事は大変でした。
男性の同期と同じ難度のアサインメントがあり、同じように出張し
原稿の出来が悪ければ、同じように夜遅くまで残って書き直しました。


今、私が仕事を続けているのは、私が「女だから」と手加減しなかった
上司たちのおかげです。

女か男かではなく、私の仕事の出来不出来によって、褒めたりしかったり
してくれた先輩たちのおかげだと思っています。


そして、彼らのうち何人かに妊娠の報告をすると、決まって「おめでとう」
の後に「いつから休んでいつ復帰するか」と尋ねてくれました。


妊娠中、体調が悪くてしばらく仕事を休んでいたら
「やっぱり、あなたに担当してほしいから、待ってるよ」と言ってくれた人もいます。


グダグダな新人だった私が出産育児をしながら当たり前に働いているのは
私が働き続けることを「当たり前」と考える人に囲まれていたからです。


仕事のモチベーションも、難しい仕事に向かう覚悟も、環境により作られるもの
だと私は思っています。

日本女性とアメリカ女性の大きな違い


たとえば民間企業における日本女性の仕事の特徴は
事務職(30.85%)とサービス・販売(30.45%)が多いことです。


一方、アメリカ女性の場合は
事務職(19.34%)、サービス・販売(16.36%)程度しかしません。


また、管理職(14.62%)や専門職(16.95%)など、収入や生産性が高い
職種に就く女性も多くいるのが日本女性との大きな違いです


スウェーデンの場合
アメリカより事務職(17.17%)の比率が低いことに加え専門性が必要となる
技術職(21.27%)に就く女性が多いのが特徴です


実は仕事と家庭の両立という意味では、アメリカのほうが法整備は遅れています。


アメリカには全国レベルで有給の産休育休制度はありません。


アメリカで女性労働やワークライフバランスに関する研究者、政策提言を
する人は、ずっと前から求めてきましたが、いまだに実現していません。


そんなアメリカでは、日本よりずっと女性活用が進み、管理職の半分を女性が
占めるまでになっているのはなぜでしょうか。


ここで大事なのが
生産性の高い仕事に女性が就いているという事実です。


ひとことで言えば、アメリカの多くの組織は日本に比べて、性別や人種に
よらない能力発揮や均等待遇を重視しています。


女性労働者についても、「育児支援より能力発揮の支援」が優先されている
と言えます。


私は10年前に、アメリカに1年滞在し、共働き夫婦の家事育児分担について
調査しました。


日本で多くの企業がアピールしていたのは、手厚い育児支援、特に法律が保障
するより長い育児休業だった。


一方で「優秀な女性に頑張ってほしい」という企業が、実際にやっていたのは
優秀な女性をできるだけ長く休ませること」であり、矛盾を感じてきました。


ひるがえってアメリカでは、能力が発揮できる仕事のやり方を提供する
という発想でした。


専門職・管理職で子育て中の男女50人以上にインタビューをしたところ
彼・彼女たちが話すのは、フレックスな働き方に関することばかり。


在宅勤務でも集中できるオフィススペースを作って、週1回だけ出勤する
大手企業の部長(女性)、完全在宅で海外の同僚と連絡を取りつつ
毎日12時間労働ながら家事は妻と半々にシェアする管理職(男性)
に会いました。

女性活用ができている組織は、成果にこだわる


同様のことが日本に進出する外資系企業の一部でも行われています。


たとえば、ある外資系メーカーは、管理職女性比率が3割を超えています
担当者によると、女性活用を含むダイバーシティ推進の取り組みを30年近く
前から行っており、その間、一度も、育児支援だけを重視する動きはなかった
そうです。


一方で部下のキャリア上の希望を丁寧に聞くことを徹底するなど、能力発揮
できる環境の整備を優先してきました。


すべての人が、会社の経営戦略を自分の目標に落とし込み、成果を測る仕組み
になっているそうです。


日本企業にも、ダイバーシティマネジメントの先進事例はあります。


たとえば外国人社員が多いため、異なる宗教行事や休日祭日に配慮するうち
自然に多様化が進み、女性も働きやすくなった、という事例。


この企業は、優秀な人材を確保しておきたい、という観点から、さまざまな
ニーズに対応した結果、活用が進みました。


企業だけではありません。
ある国立大学は、男女共同参画という名称で女性活用を進めたところ
優秀な女性研究者を多く採用できています。


もともとの採用基準をクリアしている女性研究者がこの大学に集まるよう
になった、と言います。



この大学もまた、成果にこだわる組織です。


日本の大学は、近年、科学研究費の獲得を重視しています。
優秀で研究費をたくさん取れる研究者を採用したくなる仕組みになっている
と言えます。


女性を活用できていない組織は、何が問題なのでしょうか?


簡単に言えば、収益やコストへの執着があまりない、のではないでしょうか。


女性活用を戦略的な課題と考える経営者は日本でまだ多くありませんが
一部にはしっかり存在しています。


稀有な存在である彼らは、女性の離職がもたらすコストを強く意識しています。


ある流通企業のトップは、女性店長の離職防止策を導入した際
「店長がひとり辞めると1億円の損です」と言っていました。


また、あるIT企業のトップは
「優秀な人材しか取らないから、ひとり採用するのに1000万円かけている。
   辞めてもらうと損」と言います。

人を採用・育成する「コスト」への関心が低すぎる


ここまで繰り返し「女性活用ができている組織は、成果にこだわる
という話をしました。


実は、女性だけでなく、男性にも仕事上求められることを明確に伝えない
企業は少なくありません。


そんな中、新入社員研修で、女子は工場見学に行かせてもらえなかった
とか、女性を出張に出さないといった事例は今でもあります。


優秀な20代の女性たちが、こうした職場に限界を感じて辞めるのを何度も
見ました。


本当に、もったいないことです。


日本女性は能力に見合わない、生産性や収入が低い仕事を与えられている
ことが多いというのは、データからも事例からも裏付けられる事実です。


大きな理由は、雇用主や経営者が
人を採用・育成する「コスト」への関心が低すぎることがあります。


そして多くの場合、問題を女性の意識など個人責任にしてしまい、それを
もたらした環境を変えようとしません。


よく「女性が昇進したがらない」という話を聞きます。


女性はやる気がない」と言われることも多いので、データを見てみましょう。



独立行政法人 労働政策研究・研修機構


「男女正社員のキャリアと両立支援に関する調査」(2013年3月公表)


民間企業の一般社員で「昇進したくない」と考える女性の4割が
仕事と家庭の両立困難を挙げています。


また、同性のお手本がいないことを挙げる人も24%います。


一方、男性で昇進したくない人の最大の理由は
「メリットが少ない、またはない」(41%)です。


女性の場合、やる気というより、両立しながら活躍できる環境がないこと
が問題ではないでしょうか。

経営者などに伝えたい4つのポイント


女性活用にまじめに取り組みたい組織はどうしたらいいのか、ポイントをまとめます。


第一に
採用コストを明確に意識することです。


特に、同程度の教育を受けた男性社員と女性社員が、5年、10年、20年後に
どういう状況にあるか、調べてみてほしいのです。


家庭に入った、と思っていた女性社員が、実は同業他社に移っていたり
よりチャンスの大きなベンチャー企業に移っていたりしないでしょうか。


その場合、自社がかけた採用と育成コストを取られた形になりますが
構わないのでしょうか。


第二に
男性と同程度の能力がある女性に、やさしい仕事しか与えないことの機会損失を
考えていただきたい。


目に見えにくいですが、測れないものではありません。


たとえば自社所有の土地が「遊んでいる」状態だったら
年間、何億円の損と見積もるでしょう。
何十人、何百人、もしくは何千人もの女性社員が
持っている能力を発揮せずに、簡単な仕事をしている状況を直視してほしいのです。


それは、例えていえば、最新のパソコンがあるのにインターネットを
いっさい使わずに仕事をしているような状態です。


そんな無駄を放置する余裕が、あるのでしょうか。


第三に
もし、これまで女性を無駄遣いしてきたことに気づいたら。
まず、今いる女性社員にもっと難しく、もっと収益性の高い仕事を任せて
ほしいです。


ある大企業は、合併と事務作業のIT化により、女性事務職が大量に余って
しまいました。


こういう時、解雇せずに違う仕事を与えるのは、日本企業の良いところ
だと思います。


この企業は元事務職の女性を営業に出してみました。


すると
「思ったよりずっと営業成績が良かったので、やる気のある女性にもっと
仕事を任せたい。
我が社の中期経営計画にジェンダーの項目を入れるべき」
と本社部長が話していたのが数年前。


今、この企業はトップも女性活躍をうたい文句にしています。


第四に
女性が難しい仕事をやりたがらないのは、長年蓄積された、男性とは異なる
扱いの結果である、という認識を持ってほしいのです。


よく女性は上に上がりたがらない、と言われますが
本当に、そうなのでしょうか。

モチベーション個人の特性であると同時に、環境要因で後天的に獲得する
ことができるものです。


大事なのは企業側の仕事の与え方と女性個人の覚悟の両方という主張に
全面的に賛成します。


もし、少しでも共感いただけるなら
明日からあなたの女性の部下や後輩への接し方を少し変えてみてほしいです。
それが、5年後、10年後に彼女の働く意識を変え、企業の収益性も大きく
変えるでしょう。